吉川湊一(そういち)



多聞院

 真言宗。東京都新宿区弁天町100。

 吉川湊一の墓は、本堂の手前にある。新宿区の登録史跡に指定され、横に説明板がある。

多聞院の本堂

吉川湊一の墓と新宿区の説明板

説明板

新宿区登録史跡
吉川湊一の墓
  所在地  新宿区弁天町100番地 多聞院
  登録年月日  平成14年2月1日

 江戸後期に平家琵琶の奥義を極め、検校にまで昇進した吉川湊一(1748〜1829)の墓所。
 湊一は紀州熊野生まれ。 幼い時に失明。 八重橋検校に入門し、平家琵琶を習得する。 やがてその名人となり、寛政6年(1794)には検校に昇進。 文政9年(1812)全国の検校を統括する職検校にまで昇りつめた。 この時期、湊一は平家琵琶の第一人者として重きをなした。
 平家琵琶とは、「平家物語」を琵琶の前奏で語る伝承芸能で、平曲・平家・平家詞曲ともいう。 検校は、平家琵琶語りの組織「当道座」の最高位にあたる。
 湊一は、職検校在任中京都で暮らしたが、文政11年に隠退して江戸に下り牛込に居を構え、翌年亡くなった。
 墓石は高さ121.5センチメートル。 側面から裏面にかけて、湊一の出自と経歴が刻まれている。

  平成15年3月    新宿区教育委員会
* 文政9年(1812) = 文政9年(1826)の誤り。


《2011年8月》

吉川湊一

検校列伝

当道