杉枝真一(さないち)


 延宝元年(1673)生まれ。
 妙観派。坊主・三島安一。宝永3年(1706)10月19日権成。元文2年(1737)6月〜同4年(1739)2月、5代江戸惣録。 延享4年(1747)9月23日歿。墓所・高林寺(東京都文京区向丘2)。

 鍼術杉山流。


『本朝盲人伝』の杉枝真一

    杉枝真一
 杉枝真一は斎藤豊前介実仲十二世の裔なり。夙に盲し、杉山検校に就きて鍼術を受く。 初め柳沢吉保に仕ふ。元禄十四年十二月将軍徳川綱吉に柳沢邸に謁す。 宝永三年十二月十一日鍼医となり、俸二十口を賜ふ。後将軍徳川家重の病を療して験あり。賞を賜ふ。 寛保元年四月致仕し、延享四年九月二十三日歿す。江戸駒込高林寺に葬る。著す所鍼灸約あり。

  ――『本朝盲人伝』,p.62

 高林寺は、幕末の蘭医緒方洪庵の墓があることでも知られる。 しかし、杉枝真一の墓は『本朝盲人伝』の石川二三造の時代にはすでにわからなくなっており、現在も所在不明である。


《2010年5月》

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