沢住 検校


 生歿年、都名不詳。

 虎沢検校の弟子といわれ、慶長年間、浄瑠璃語りに三味線の伴奏を付けたと伝えられる。

 大阪市天王寺区の浄瑠璃神社(生國魂神社の境内摂社)の祭神の一に数えられる。 神号は玉鉾農郷保芸神(たまほこのさとほきのかみ)。


『色道大鏡』の虎沢検校・沢住検校

 三味線のおこりは、永禄年中 琉球国より是を渡す。 其の時は蛇皮にてはりて、二絃なる物なり。 泉州堺の琵琶法師中小路といひける盲目に、人のとらせたりけるを、此の盲目よろこびて、しらべつつこころみたりけれど、教へをきかざれば音律かなはず。 是を心うくおぼえて、長谷の観世音へ詣で、一七日参籠し、引きやうを祈りしに、あらたなる霊夢ありて、階をくだる時に、大中小の糸三筋、盲目が足にかかる。 是をとり、三筋の糸をかけてひくに、無尽の色音出たり。 それより三絃にきはむる故に、三味線としかいふ。 其の砌(みぎり)はむざと引きてなぐさみとせしに、暫くして虎沢といひし盲目 是を引きかため、本手破手といふ事を定めて、人にこれをつたふ。 其の後 沢住といふ盲目ありて、是をひきおぼえ、歌に載せて引き出したり。

  ―― 『色道大鏡』 巻第七 翫器部


沢住検校 外部リンク

  沢住検校とは(コトバンク)


《2012年1月》

検校列伝

当道