小寺温一(おんいち)


 師堂派。坊主・高山丹一。 正保3年(1646)12月14日、天野惣検校死去により職惣検校。
同年12月22日歿。法名・本光院雲外可月居士。

 惣検校在位9日間は、歴代惣検校中の最短。

 以下のエピソードが示すように、「平家」の名人として知られていた。

 大猷院様御咄の衆 或時被申上候は 只今烏のまね鳥獣のまねいたし候座頭有之候。事の外上手にて真の鳥獣の様に有之候。御聞被遊候へかしの様に被申上候處 鳥獣のまねいたさんよりは小寺が平家のまね致し候はば能可有之由上意也。

  ―― 『寛永小説』


《2013年9月》

検校列伝

当道