波多野孝一(こういち)


 師堂派。坊主・山中久一。正保3年(1646)12月23日、小寺惣検校死去により職惣検校。慶安4年(1651)1月6日歿。法名・円光院泰誉如俊居士。

 平曲波多野流始祖。江戸一世宗匠。
 「考一」とも。


『本朝盲人伝』の波多野孝一

    波多野某
 波多野某は其の郷貫を失ふ。父を臺岐と曰ふ。幼にして琵琶を能くし、松風と称する名琴を蔵せり。 前田、小寺と其の技を以て名を斉しうす。小寺は其の音緩く、前田は其の音急なり。波多野は其の間を得て一時に称せらる。 其の弟子に、長浜勾当、木下検校、岡本検校等あり。

  ―― 『本朝盲人伝』,p.223
 * 前田 = 前田九一
 * 小寺 = 小寺温一。  * 岡本検校 = 岡本へん一(寛永20年権成)。


波多野孝一 外部リンク

  波多野検校とは(コトバンク)


《2011年6月》

検校列伝

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