杉立べん一


 師堂派。坊主・松下もん一。承応3年(1654)2月12日権成。

 延宝ごろ、唐津藩主大久保加賀守忠朝の扶持座頭。延宝3年(1675)の積塔会の塔人を務める。(『遠碧軒記』)

 『江戸鹿子』によれば、大久保加賀守の扶持座頭は貞享4年(1687)年には杉立の弟子の戸沢るん一(貞享4年権成)に変わっている。 また同年には杉立という在名の別人(杉立ゑい一)が検校に登官しているので、貞享4年以前に歿または引退したと考えられる。


『遠碧軒記』の杉立べん一

 座頭の石塔 毎年二月十六日の暁より始まる。延宝三年二月十六日の塔人は、大久保加賀守殿の検校杉立なり。職は渋谷なり。

  ―― 『遠碧軒記』


《2012年1月》

検校列伝

当道